〜Field日記・H16.09.09〜栃木県男鹿高原

あっけないマイタケとの出会い!

 

 

 ここのところ、ホームグラウンドの男鹿高原に足を運んでない。一日残った夏休みを有効に使うべく算段してたところ、 "明日しかない"と決行した。仕事の都合・天候の都合・体調の都合を睨みながらの判断だ。
 長野ではマイタケがでているとか、岩手ではハタケシメジがでているとか、あふれんばかりの情報に耳がダンボになって いた。そういえば、今年はハナイグチにお会いしてないなぁ。M氏のキャンプ場はもうオープンしてるのだろうか。 思いを馳せているうちに電車は男鹿の駅にすべりこんだ。
 山間の誰もいない無人駅だ。春の渓流釣シーズンともう少ししたら始まる松茸シーズンになると何人か下車する人 をみかけることがある。といってもニ、三人だが。いつもは駅の前にある林道で山を回り込むように会津西街道へでるのだが、 今日は林道を使わず尾根を越えて会津西街道へでようというショートカットプランだ。これが大正解であり、大誤算でもあった・・・
 山の稜線をみながらできるたけ低いところを選んで入山した。3m、ほんの3m杉林に入り目の前にあった朽ちた切り株。 ふと目を何気に、なにも考えず斜め上にみたところへその物体は飛び込んできた。

あまりにも唐突に、えっ、嘘だろ、マイタケだぁ、よく状況 が掴みきれないうちにその物体を取り上げようとする気持ちを無意識に制した。まずは写真だ、いままでに何回かこの 誘惑に翻弄されるままシャッターチャンスを逃したことだろうか。後ろを振り返るとスグ下に林道がみえる。まだ半信半疑だ。 ”こんなところにマイタケがでてるなんて、しかも誰にも知れずに・・・”。なんというラッキー!!!(これが大正解)
 先入観として杉林が頭の中をしめていたが、きっとミズナラの切り株だったのだろう。少しずつ頭の中をクールダウンさせた。 ”このまま帰ろうかなぁ”なんてことも考えたりして、結局駅に引き返してマイタケを近くに隠して帰りにピックアップ することにした。『もしかして、マツタケがでてるかも・・・』という考えが無意識のうちに宿ってしまっていた。再び山中へ。 (これが大誤算)

  

クサボタン                      アカヤマタケ or トガリベニヤマタケ

  

タマシロオニタケ(猛毒)                ミヤマママコナ(?)

 サワモダシ(ナラタケ)を期待しながら沢づたいに尾根をめざす。なんにもない。どんどん疲労が加算されていく。ここで エモノが見つかるかどうかは大変な違いがでてくる。疲弊したカバネを引き上げながら、黙々と足を運ぶ。沢が終ったところから 山の斜度は40度から、極端なところでは60度にもみえる。両手両足をフルに使っても5mで息絶える。雪の重みで湾曲した樹木の 生え際が、ちょうどよい休憩場所だ。疲労でちょっと体が痙攣ぎみだ。そういえばここのところ夏場だったので徒歩通勤を やめていたのがたたっているのだろうか。ヒーヒーいいながらもやっと尾根に到着。なんと一番高いところを登ったみたいだ。 一番低いとおもわれるところを目指したはずなのに・・・。
 ここの山は尾根伝いに松林が続く。気を取り直してちょっと休憩がてらに太い松ノ木の根元を巡回してみた。が、何も無かった。 そんなに簡単にマツタケが見つかるはず無いよね。
   反対側の下がみえない。ヤバイ。夏場の山は、樹木の葉が生い茂っているので視界が利かないのだ。会津西街道からみたこの山は、 ところどころ斜面が崩れ落ちているところがあったはずだ。そんなところに出くわしたら、また登り直して別ルートを探さない といけない・・・、不安が過ぎる。ちょっとでも林道側に近い方向で降りたほうが危険が少ないかな、などとかってな判断をしな がら、やはり斜度40度以上の斜面を樹木に掴まり、それこそ両手両足を使って滑りながら下山を開始した。
 うへっ、斜面が落ちてるよ、最悪のパターンが目の前に広がった。まだ下までにはだいぶありそうだという のに、なんてこった。先ずは、冷静になることを心がけた。それでなくても疲労はピーク状態だから即断即答はさけなければと自分に いいきかせた。取りあえず少しあがって、様子をみながら水平移動した。そして様子をみながら下がれるところ模索しながら少し づつ下山をこころみた。
 結局、下道を回りこんでも20分くらいでこれる位置にたどり着いたときには二時間半も費やしていた。すっかり疲れちゃって” どうしようかなぁ、ひきかえしちゃうかなぁ”と逡巡しながら歩いていた目の前に、一台の車がスーッと近づいて止まった。髪の長い後姿から ドライブ中のおばさんが道でも尋ねようというのだろうか。助手席のドアをあけるその横顔は、なんとキャンプ場のM氏ではないか。 なんという偶然だ。四月以来の再会となる。

林道から降りていく道脇には、すでに道標も完成している

 キャンプ場で振る舞いのビールをいただき一息いれた。9月18日オープン予定だそうだ。おもえば二年前、男鹿ネイチャーステーション の管理マスターを辞め、ここの空き地にキャンプ場を作ると聞かされたときにはいったいどうなるかとおもっていたが、それもあと 一週間後には実現されると言う。営林署の仕事を手伝いながら、廃材、不要建築材などをかき集め、相棒のサダさんと自力でここまでカタチを 創りあげたことに最大の賛辞をささげたい。いま、オープンまえだというのに大勢の若者たちで華やいでいる。 明大の某ゼミ学生達が合宿中だ。

  

 少し遊んでくることにした。学生たちに自然の恵みを少しでも提供できればという親心か。時間があまりなかったので奥まで入らず いつもの沢づたいに毛鉤を落としてみた。いきなり10cmのチビイワナが食いついてきた。私のハリは比較的大きめを使っている。それには 理由がある。ハリが小さいとリリースサイズも掛かってくる可能性があるので面倒なのだ。それなのに16号のハリに食いつくとは。 このチビスケは相当食い意地の張ったやつなのかもしれない。結局小一時間ほどで六匹。一番でかいやつでも18cmくらいだったので 全部リリースした。

  

        サワモダシ(ナラタケ)                ヌメリスギタケモドキ

 沢には、もうひとつの楽しみがある。キノコだ。さいわい、昨年お目に掛かることが無かった サワモダシ(ナラタケ)が切り株に出ていたのをみつけた。そのほかにも、 ヌメリスギタケモドキが少量ではあるが、あちこちの倒木から顔をみせていた。 だが、残念なことに肉質のしっかりした、いわゆるナラタケにはとうとう出会えずじまいであったのが悔まれる。
 場所をかえてカラマツ林へも入ってみた。
  @ハナイグチを見つける
  A気になっていた野イチゴの観察
  B乾燥ハナビラタケによる植菌
 以上の課題をクリアすべく、短い時間ではあったが徘徊してみたが、@は、どこにもその姿を確認できなかった。あとで過去の記録を みたら、9月下旬から10月初旬にここで採取していた。時期が早かったのかもしれない。Aについては、かなりの面積に野イチゴの 株が確認できた。季節はずれの実が一つ二つ確認もできた。魚菜さんからいただいたBをどこに蒔こうか思案したがいまいちパッと せず持ち帰ってしまった。この他に収穫といったら、朽ちた杉株に半分バケかかった スギヒラタケぐらいだった。

スギヒラタケ

 キャンプ場に戻ってみると、学生達がとってきたキノコをみてくれという。案内されたところでは広げられた新聞紙の上にいくつかの キノコがならんでいた。その中になんとさきほど蒔きそこなった立派なハナビラタケが鎮座してるではないか。そしてその隣には、 あの、あのマイタケが数株並べられていた。これはサダさんの父親が採ってきたものだそうだ。現地の人で、いくつもシロをもって いるという。学生達の戦果は、ハナビラタケ以外は、ザラエノハラタケ(?)、イグチなどで、捨てさせた。そのかわり、今夜の味噌汁 のダシにとサワモダシ、それからスギヒラタケ・ヌメリスギタケモドキはピサ゜のトッピングに使いたいらしい。

ハナビラタケ

 男鹿に今度くるのは、11月のエノキタケのシーズンになるだろうか。その頃には、キャンプ場も営業しているだろう。一泊でゆっくり 訪ねてみよう。駅まで送ってくれたサダさんに、隠しておいたマイタケを見せてあげた。

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 二日目から体が痛い、足・腕、全般に痛い。やはり、尾根越えがきつかったのだろう。 ショートカット・プランなどもう二度とそんなことは考えない。
 マイタケは、混ぜご飯とお吸い物にした。