今日も、ホリデー快速"奥多摩号"の車内は矍鑠とした妙齢男女のけたたましい笑い声や、幹事とおぼしき相手とスケジュール
確認の弾んだ会話が耳に響く。
どんよりとした曇り空は、予定していたグットウェザーの沢歩きを鈍らせている。途中で降り出すことは
よもや無いだろうとタカをくくっての釣行だった。
今日の課題は、先日"上州屋"で買ったパック入り毛鉤の試し釣りだ。12本入りパックで350円という超破格な買い物
だが、自作の毛鉤とは比べものにならないほど、センスといい造作といい、優れていた。
赤い巻き毛のものを取り出して、さっそく準備にとりかかった。環はフライ用の鉤よりも幾分おおきいようだ。
崩れかけた沢の渡しに腰掛け糸をとおす。準備はオーケーだ。近くにあった小さな落込みが続くなか、
その一つの水面に軟着陸させてみる。
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最初の落ち込みにはどうも固体が存在しないようだった。すこし上がったところにそこそこの落込みがあった
のでフワリとおとしたところ、スーッと吸い込まれていくのが見えた。アッと手が反応していた。
15cmあるかないかのヤマメが宙を舞う。しっかりとフッキングしているみたいなのでバレずにとりこめた。
先に進むごとにまわりが鬱そうするのと、空色がどんどん暗くなってきているみたいなので、使い慣れた白系の
カディスに比べ著しく視認性がとぼしく扱いづらい。これらは本来、かるく沈めて使用するものかもしれない。
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だんだん扱いづらくなってきたので、いつものカディスにシフトした。離れていても一発で確認できるすぐれ
ものだ。が、同時に、相手にとってもよく見えるのである。だから、アタリの瞬間に出遅れてすぐ吐き出されてしまう。
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とうとう雨が降り出した。まだ11時、沢も入ったばかりだ。せっかくきたのにこのまま帰るには忍びない。
この日にかぎって雨合羽を用意してこなかった。とりあえずリュックのカバーだけして濡れに任せて先へ進む。
パラパラ程度で、樹木の遮りもあってかあまり意識もせず釣りに集中できたが、あいかわらずタイミングが合わず
バラシとあわせズレが続いた。
12時、腹も空いたことだし、一先ずお昼にする。濡れたゴロ石に腰を落とし、オニギリと、大好きな
干し葡萄入りコッペパン(第一製パン?)をほおばる。沢の流に目をやると、
ミズが元気よく成長していた。"油いためが
美味しいんだよナァ"山菜モードになってきた。
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一息ついたところでまた遡上したが、あいかわらずのアワセはずれで気をくさらせ30分もしないうちに納竿とした。
雨はあいかわらず降っていたので、ワサビ小屋で雨宿り。杉の枯れ枝などを燃やしながらしばしオレンジ色の炎をみつめるが、
いっこうに止む気配なし。これまでと、傘を差して下山した。
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