〜Field日記2002.06.16奥多摩(3)〜 

ちょっと、浮気心

 フライロッド片手に海沢に向かったのはいいが、リールを忘れてしまった。今日は釣りにならないかぁ。。。と独り言をつぶやきながら、それでも足は釣り場へと進む。

海沢トンネルを抜けたすぐの橋下プールで、糸をたらしている初老の釣り人に「どうですか」と声をかける。親切そうな老人は「あそことあそこ」と指差して魚の定位置を教えてくれる。毎週ここで2匹ほど釣ってかえるそうだ。そんなこんなしていると、三つ釜・大滝見物とおもわれる女性ハイカーのグループや、もっと上流を攻めてきた帰りであろうフライマンなどギャラリーが集まってきた。

クサイチゴ

ナルコユリの実

 この場に別れをつげ、いつもの釣り場に到着する。さっそく、リールは無いがテグスを直付けしたしかけで鏡面のようなプールに毛鉤を落す。途中、空中で毛鉤がブラブラしてるときに、届きもしない距離なのに果敢にアタックしてくるヤマメがいた。大きな口を開いて、そのまま水面に落ちていくのが滑稽だった。けっきょく、ここでは釣れなかった。少し遡行してみたが、今日は気乗りがしない。 

 適当なところで早やばやと納竿し、沢辺の空地で昼飯にした。ヤカンと固形燃料をもってきたので、カップラーメンと玉子スープ、あと近場で採れたミズを茹でてラーメンの具の足しにする。なにはなくとも景色がサイコーのご馳走なのだ。腹いっぱいになったところで、眼前のプールを眺めながら今日の反省をした。

マタタビのチビッ子

ホウチャクソウの実

 とぼとぼ下流へ降りてくる途中、例の橋下プールに差し掛かったところ、「バシャッ」と音がした。夕暮れ時にみられる、「ポツン、ポツン」というのとは比較にならない、果敢な「バシャッ」だ。私の足は完全に引き止められて、食い入るようにその場所を眼で追った。落込み付近の大きめの沈み石の上に、それはついていた。また、「バシャッ」。

 フライロッドに直付けのシカケではと、本日の失態を憂いた。…だが、まてよ、橋下の脇に飛び出している大岩の上からだったらなんとか…ダメもとで降りてみた。いつもの毛鉤(エルクヘアカディス)を数度流してみるが反応無し。近づきすぎたので気づかれたかも。少しジッとしていて、毛鉤を別のタイプと換えておとしてみたところ、一発でバシャッときた。初々しい山女魚だった。きょうは連れてかえる気分じゃなかったので、そっとかえしてやった。

山女魚