〜Field日記2001.12.14-16〜
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山形路、ゆらり湯めぐり紀行 |
| 雪見風呂を求めて、午前9時東北新幹線くりこま高原駅からレンタカーで出発した。 今回の相棒はマツダのキャロル。雪が降り出したのでワイパーを動かしてみたら、 ゴリゴリと、なんか不安な音をたてている。あわてて家を飛び出したわけじゃないけど、 いつもは持参する訪問予定地の地図や資料を全部忘れてしまった。これも不安材料(だいじょうぶかなぁ)。 今回の山形湯めぐり計画は、すでに入湯した置賜地方(白布・姥湯・五色・滑川・大平)以外の、 最上地方(琵琶の沢・赤倉・瀬見・肘折)、庄内地方(湯の浜・由良・湯田川・湯ノ沢)、 村山地方(銀山・天童・蔵王)と、盛りだくさん。とても実現性の乏しいスケジューリング であることに気付いたのは現地の雪をみてからだった。 | |
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県境へさしかかるにしたがい、どんどん雪の量が増えてきているし、当然空はどんより鉛色。 道路脇に立つ気温表示機は−4℃だ。路面は確実に雪道と化している。部分的な残雪道は一度短い距離の走行経験あるが、 降雪時の雪道を走るのはまったくはじめての経験だ。ドキドキしながら新庄市通過は、1時間遅れの12時。とても 30km/h以上のスピードは望むべくもない。逆算を試みると、庄内地方を回っていたら宿泊予定地の肘折 温泉には明るいうちに到着するのはとても無理の気がした。ましてや肘折温泉は月山西麓のかなり奥まったところ、 はたして通行可能かどうか。宿に電話をいれてみることにした。「除雪してるから大丈夫ですよ」の一言で、 庄内地方はあきらめて肘折でのんびりすることに方針変更。が、地獄はここからはじまった。 |
| たしかに除雪車が通った跡はある、が、どんどん雪は降っているのである。基幹道路でもない山道、 なおかつ猛吹雪であるこんなところへくる人間がそう多いはずがない。私の前に車はない、私の後ろにもやっぱり車がない。 不安と闘いながら前へ前へすすむこと1時間、スキー場らしいところを通過。まわりに障害物なし、いわゆる野晒しだ。 白一色で猛吹雪。ほとんど道路の境界識別なし。おまけにワイパーがきれいに窓掃除をしてくれない。 突然ドドッと雪の塊が車体を覆いつくす。路をはすして脇に突っ込んだみたいだ。フロントの雪を払い、また前に進む。 またドドッ。雪を払ってまた前に進む。今度は突然前に雪の壁が。カーブに気がつかず右壁に突っ込むところだった。 ボーぜんとしているところを一台の車がすり抜ける。あわててテールランプを追う。もう、必死に追う。しばらくしたら、 前の車が左脇に突っ込んだ。 | |
| おもわず、クスッと笑ってしまった。形勢逆転、こんどはこっちが先頭車。 10km/h、チョロチョロ、立ち止まったり、またチョロチョロしてるうちにやっと目的地、肘折温泉に到着した。 こんなころににぎやかな温泉街があるとは。たしかに、道は除雪されなおかつ水が流されているので路面が露出している ところさえみられる。だけど、それは温泉街内だけじゃないか、途中は別世界だよと声を大にして訴えたい心境だ! まっ、いまさらなにをいってもはじまらない。温泉をたのしもうと気持ちを切り替えた。部屋でちょっと息を整えてから、 1km先にある黄金温泉へいってみることにした。勿論、もう雪道はゴメンなので、 宿に送迎を依頼したところOKだった。言ってみるものだ、あははー。 | ![]() |
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雪は朝からすでに50cmは積もっていた。 カルデラ館の訪問者は、どうも今日は私一人で終わりそうな雰囲気である。露天風呂への道は、 深い雪に閉ざされ残念ながら利用できないみたいだ。内風呂の小窓をあけて雪景色を楽しむことにした。 もちろん、ビールが欠かせない必需品であることは言うまでもない。2時間ほどマッタリしたあとに、迎えを頼んだ。 道中運転手に、3km先にある石抱温泉の様子を訊ねたが、さすが、雪のないときじゃないと行けないと断られた。 んーん、残念! |
| ちょっと疲れがでてきたので一休み。休憩の後、三つあるという共同浴場のうち、「上の湯」を訪ねる。 もっともこんな猛吹雪の中、ほかにくる客があるとはおもえないが。案の定、貸切でゆっくりできた。 さっきのカルデラ館のお湯がバスクリン色だったのに比し、こちらはどこにでもある無色透明。泉質の違いだろうか。 そういえば宿の湯もバスクリン色だった。「上の湯」でのんびり手足をのばし、しばしトドになる。 | ![]() |
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宿はえびす屋、石抱温泉の所有者というのでここにした。素泊まりのつもりだったが、急遽予定変更し二食つけてもらった。 夜中になっても雪は止む気配なし。朝、トイレの窓から外をのぞくとキャロルの屋根には新雪がてんこもり状態。 これは出発のときに手間だなぁと気落ちした。が、ここで名案が浮かんだ。キーを渡しているのだから、 駐車場から玄関まで車を出してもらえばいいんだ。(まさかてんこもり状態でもってくることはないだろう、 むふふ)朝8時、遅い朝食のあと9時出発を伝えていたら、暖房ガンガンで雪を落としてもらったキャロル君が 玄関前で待っていてくれた。 |
![]() 夕食:おでん、小魚と胡桃、野菜、漬物、トン汁、ごはん |
![]() 朝食:シラスおろし、山海ワサビ、うどの味噌和え、しんこ、味噌汁、ごはん |
| 前日の悪夢がトラウマとなって残っていたが、ここは切り抜けるしか方法はないとあきらめ宿をでた。 温泉街を出たとたん、昨日とおなじ地吹雪が猛然と襲いかかってくる。ストップ・アンド・ゴーを繰り返す。 もう完全に事前の予定表はこの地吹雪でどっかに吹っ飛んでいる。完全にビビリまくっている。とにかく生きて帰りたい。 ちょっと大げさかな、けど、少なくとも今日の宿泊地にはたどり着きたい。それが正直なところだ。 | |
| 1時間かかってやっと里にたどりついた。蔵王温泉はもとより、銀山温泉もあきらめて中山・鳴子方面に向かう。 瀬見温泉に立ち寄る。ここは「ふかし湯」が有名らしいが、300円だったので、 隣にある共同浴場100円に入った。浴槽で知り合った若者が、山刀伐峠を使えば銀山温泉往復が可能だというが、 やっぱり止めといた。次にいく「琵琶の沢温泉」の露天風呂は捨てがたい。 | ![]() |
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昼飯とビールを買って12時ころに現地へ到着。男女別木枠内風呂・男女別露天・雪囲い混浴露天・野晒し混浴露天とある。 これで入浴料350円は安い。吹雪に晒されながらの雪見露天風呂、とうとう今回の目的を達せられた感がある。 雪囲い露天でおにぎりを頬張り、吹き晒し露天でビールをあおる。うーん、最高!でもちょっと、いやかなりさぶい。 出たり入ったりで2時間もゆっくりしてしまった。猛吹雪は一向に止む気配なし。鳴子にも寄りたかったが、 もう宿に行くことしか思い浮かばない。 |
| 今日の泊まりは中山平温泉「東へびの湯」だ。今回で3度目になる。ぬるぬるする、いわゆる“うなぎ湯”がここの特徴、 温泉好き仲間ではかなり有名。今夜ここに泊まって、明日は用事があるのでそうそうに退散する。 ここは内風呂が二つに露天が一つ、全部混浴だ。いわゆる長期滞在型の自炊湯治場、ご老人がほとんど。 なにせこの雪の中、露天はとても寒くってご老人たちは立入らないので、いつでもここだけは貸切だ。 タオルを頭に巻いて、何度も露天に足を運んで最後の夜を満喫し旅の締めくくりとした。 | ![]() |